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転職市場での効き方
2級建築士
A=配置・実施の要件として名指しされる
5業種で主任技術者になれる(建設業法)
一級を待つのが安全だと思っていませんか
令和7年4月1日、二級建築士が設計・工事監理できる建物の線が動きました。木造なら「高さ13m超または軒の高さ9m超は一級だけ」から、「高さ16m超または地階を除く階数4以上は一級だけ」へ(建築士法第3条第1項第二号)。
ただし動いたのは高さと階数の線だけです。鉄筋コンクリート造・鉄骨造などの延べ面積300㎡、延べ面積1000㎡超かつ階数2以上、学校・病院・百貨店などの用途で500㎡超——この3本は改正前と同じ位置に残っています。
「一級に受かってから」と決めている間も、土日の打合せと転勤の話は続きます。しかも一級の免許登録で出す実務経歴証明書は、勤務先ごとに作ります。前の会社が遠いほど、頼みに行くのは重くなります。
一級を待っている間に、二級で扱える建物の「高さ」の線のほうが動いていました。
16m
二級建築士でも設計・工事監理できる建物の高さの上限(建築士法第3条第1項/令和7年4月1日施行)。改正前の高さの線は13mだった。ただし高さだけで決まりません。同時に「地階を除く階数3以下」「鉄筋コンクリート造・鉄骨造・石造・れんが造・コンクリートブロック造・無筋コンクリート造は延べ面積300㎡以下」「延べ面積1000㎡超かつ階数2以上ではないこと」「学校・病院・劇場・百貨店などの用途は500㎡以下」を満たす必要があり、どれか一つでも超えると一級建築士だけの仕事になります。
この先にあるのは転職サービス各社のページで、求人を探すのも条件の欄を読むのも、そのサービスの中での操作になります(登録が要るかどうかは各社で違うので、各社のページで確かめてください)。当方は求人を保有しておらず、求人の紹介も取次ぎもしません。
建築の転職サービスを見る転職するかどうかは、求人を見てから決めれば大丈夫です。
この数字が意味すること
建築士法第3条第1項は、一級建築士でなければ設計・工事監理できない建物を4つ並べています。令和7年4月1日施行の条文では、木造は「高さ16m超、または地階を除く階数4以上」が一級だけ。裏返すと、高さ16m以下かつ地階を除く階数3以下なら二級でも扱えます。改正前の線は「高さ13m超または軒の高さ9m超」でした。ただし同じ項の第三号で、鉄筋コンクリート造・鉄骨造・石造・れんが造・コンクリートブロック造・無筋コンクリート造は、延べ面積が300㎡を超えた時点で一級だけになります。高さ10mの2階建てでも、鉄骨造で350㎡あれば二級では設計できません。第四号の「延べ面積1000㎡超かつ階数2以上」、第一号の「学校・病院・劇場・映画館・公会堂・集会場・百貨店の用途で500㎡超」も一級だけ。動いたのは高さと階数で、面積と用途の線は動いていません。
転職で効くのは、この線が求人の応募資格にそのまま写っていることです。募集は「一級必須」と「一級または二級」に分かれます。分かれ方を決めているのは、その会社がふだん扱う建物が線のどちら側にあるかです。300㎡を超える鉄骨造の店舗を主に建てている会社なら、募集は一級側に寄ります。木造3階建てまでの住宅が中心なら、二級で応募できる側に入ります。書類で落ちたとき、それは実力の判定ではなく、資格欄の一行だったことがあります。ただし、応募できることと採用されることは別です。
もう一つ、待つ側の損得です。建築士法第4条第2項は、一級建築士の免許を受けられる人を各号で定めていて、その第四号が「二級建築士として設計その他の実務の経験を4年以上有する者」です。令和2年以降の合格者は、この実務経験を、試験の受験資格ではなく免許登録の段階で審査されます。条文が数えているのは経験の年数で、同じ会社に居続けることではありません。ただし実務経歴証明書は勤務先ごとに作ります(日本建築士会連合会 登録部Q415)。判子をもらう相手は勤務先が増えるたびに増え、前の会社が遠くなるほど、廃業すれば、もっと頼みにくくなります。この一点では、待つことは安全側ではありません。
2級建築士を持つ人が、先に知りたいこと
「一級必須」ばかり。二級だとどこまで応募できますか
線を引いているのは建築士法第3条第1項です。令和7年4月1日以降、木造なら高さ16m以下かつ地階を除く階数3以下で、二級でも設計・工事監理ができます。ただし鉄筋コンクリート造・鉄骨造・石造・れんが造・コンクリートブロック造・無筋コンクリート造は、延べ面積が300㎡を超えると一級だけです。延べ面積1000㎡超かつ階数2以上、学校・病院・百貨店などの用途で500㎡超も一級だけです。つまり高さ16mは4本ある線のうちの1本で、面積と用途の線は別に効きます。求人の応募資格の欄は、この線の写しだと思ってください。
いま転職したら、一級の実務経験はリセットされますか
建築士法第4条第2項第四号は、一級建築士の免許を受けられる人を「二級建築士として設計その他の実務の経験を4年以上有する者」と定めています。条文が数えているのは経験の年数で、同じ会社に居続けることではありません。令和2年以降の合格者は、この実務経験を免許登録の段階で審査されます。ただし実務経歴証明書は勤務先ごとに作るので(日本建築士会連合会 登録部Q415)、辞めた会社にも頼みに行きます。先送りするほど相手は遠くなり、会社が無くなればもっと重くなります。
二級の資格手当は、結局いくら付きますか
厚生労働省の賃金構造基本統計調査は職種別の統計で、「二級建築士」という資格別の区分が立っていません。読めるのは「建築技術者」642万円という職種の数字までで、そこから二級の取り分は取り出せません。手当は会社の裁量です。同じ二級でも、金額を決めている会社と、手当そのものが無い会社があります。求人の手当欄に金額が書いてあるかを見てください。書いていない場合は、面談で確かめる項目として控えておけば十分です。
転勤なし・土日休みの設計職は、実在しますか
会社の商売の形に左右されます。住宅の設計は施主の打合せが土日に入るため、設計職でも平日休みになることがあります。「ハウスメーカーの設計で土日休みは聞いたことがない」という投稿が出るのはこのためです。大手の設計は支店配属で転勤が付くという当事者の声もあります。ただしこれらは個人の投稿で、全社に当てはまるとは言えません。頑張りで動かしにくい部分だからこそ、求人票の休日欄と転勤欄で先に確かめてください。
設計をやめたら、二級は死に資格になりますか
建築基準法第5条第6項は、二級建築基準適合判定資格者検定を「一級建築士試験又は二級建築士試験に合格した者」が受けられると定めています。令和6年4月1日に建築副主事が創設されたためです。国土交通省の公表では、令和7年の実受検者は全国で674人、合格は204人でした。ただし合格はスタート地点です。建築副主事として任命され、または副確認検査員として選任されるには、建築行政または確認検査の業務で2年以上の実務経験と国土交通大臣の登録が要ります(建築基準法第77条の58)。
判定の根拠となる法令・一次資料
以下は一次資料に基づく要点の要約です(原文は各カードの出典リンクから)。これらの資料が示す配置・登録の要件を、当サイトの基準に当てはめて判定しています。
ここは言い切れません
判定の適用条件と、この資料だけでは言い切れない点です。
- 年収が上がる・転職に有利・評価される、とは言えません。ここに出したのは法令の条文と公表統計の数字で、あなたの待遇を約束するものではありません。
- 厚生労働省の賃金構造基本統計調査は職種別の統計で、「二級建築士」という資格別の区分が立っていません。出回っている二級建築士の年収額は求人媒体の掲載給与を集計したもので、公的統計ではありません。
- 一級建築士の免許登録に必要な実務経験の年数は、建築士法第4条第2項に区分ごとの定めがあります(二級建築士として4年以上、大学で指定科目を修めて卒業後2年以上、3年制短期大学は3年以上、短期大学・高等専門学校は4年以上)。どの区分に当たるかは学歴で変わるので、ご自身の区分は建築技術教育普及センターの案内で確認してください。
- 建築副主事・副確認検査員になるには、検定の合格に加えて、建築行政または確認検査の業務で2年以上の実務経験と国土交通大臣の登録が必要です(建築基準法第77条の58)。合格がそのまま就任ではありません。
- 土日休みと転勤の話は、当事者の投稿を引いたものです。個人の経験であって、業界全体を測った調査ではありません。
いま、このページでできること
求人を開いたら、4つの欄だけ先に見てください。応募資格が「一級必須」か「一級または二級」か。資格手当に金額が書いてあるか。休日が土日か、シフトか。転勤の有無。この4つを、いまの勤務先と並べます。一級の勉強はそのまま続けてかまいません。それと、いまの勤務先で積んだ年数の実務経歴証明書は、在籍している間のほうが頼みやすい——これだけ頭の隅に置いてください。ここで確かめたのは、待っている間に制度の線のほうが動いていた、ということだけです。
この先にあるのは転職サービス各社のページで、求人を探すのも条件の欄を読むのも、そのサービスの中での操作になります(登録が要るかどうかは各社で違うので、各社のページで確かめてください)。当方は求人を保有しておらず、求人の紹介も取次ぎもしません。
建築の転職サービスを見る転職するかどうかは、求人を見てから決めれば大丈夫です。
資格を活かせる転職先の例
主任技術者の配置が必要な工事を持つ会社が候補になります。業種によっては資格取得後の実務経験が必要です。
他にも資格をお持ちなら、同じ物差しの判定を確認できます