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転職市場での効き方
1級建築士
S=上位の配置・選任に就ける(監理技術者・専任の技術管理者など)
6業種で監理技術者になれる(建設業法)
一級建築士、設計の資格だと思っていませんか
一級建築士は、国土交通省の配置技術者一覧で、6業種の監理技術者になれる側に載っています(建設業法)。
出せる図面がないから、と求人を見るのをやめていませんか。作品を見せる話と、資格が要る話は別です。
確認検査機関の残業、管理建築士の引き継ぎ、定期講習費は誰が払うのか。下の節に、条文と出典をつけて答えました。
設計の実務が薄くても、制度の側は先に役割を決めています。
6業種
一級建築士が監理技術者になれる側に載っている業種数(国交省「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」2025年12月18日施行)。この6業種に、取得後の実務経験年数の条件は付いていません。ただし監理技術者が要るのは元請で下請契約の総額が政令の基準額以上になる工事に限られ(建設業法26条2項)、専任が必要な現場で選任されるには監理技術者資格者証(有効期間5年)の交付と登録講習の受講が別に要ります(同26条5項・27条の18第4項)。待遇は、この一覧に一切書かれていません。
ボタンの先は、建築士の求人を扱う転職サービスのページで、このページ自体は求人も条件も載せていません。求人を探すのも条件を見るのもそのサービスの中で、サービスによっては会員登録を求められます。
建築士向け転職サービスを見る転職するかどうかは、求人を見てから決めれば大丈夫です。
この数字が意味すること
国土交通省の一覧は、どの国家資格がその工事の技術者になれるかを業種ごとに並べた表です。一級建築士は、建築・大工・屋根・タイル/れんが/ブロック・鋼構造物・内装仕上の6業種で、監理技術者になれる側に載っています。しかもこの6業種の欄には、他の資格に付いている「取得後◯年の実務経験」という数字が入っていません。ここに書いてあるのは免許の種類だけです。作品集も、意匠の実績も、条件として出てきません。図面が出せないことは、この6業種の欄とは関係がありません。
制度の側であなたの名前が要る場所は、この表だけではありません。確認検査の入口である一級建築基準適合判定資格者検定は、一級建築士試験に合格した者でなければ受けることができません(建築基準法5条5項)。建築士事務所は、事務所ごとに専任の建築士を置かなければ登録が成り立ちません(建築士法24条1項)。どちらも、見られているのは作品ではありません。
ただし、ここから待遇は出てきません。一覧に載っていることと、年収や社内の評価は別です。監理技術者が必要になるのは、元請で下請契約の総額が政令の基準額以上になる工事だけで(建設業法26条2項)、専任が求められる現場で選任されるには資格者証と登録講習の受講が別に要ります(同26条5項)。確認できるのは、作品を出せない人にも制度上の立場がある、という一点だけです。
1級建築士を持つ人が、先に知りたいこと
確認検査機関に移ると、年収と残業はどうなりますか
求人ごとに違う、としか言えません。個別の額をここには並べません。比べる線として公表されているのは職種別の月額と賞与で、建築技術者は月43.5万円・年間賞与120.0万円です(令和6年賃金構造基本統計調査・産業計・男女計・企業規模計/平均43.6歳・41,276人)。12か月分と賞与を足すと642万円になりますが、これは統計が公表している年収ではなく、このページでの換算です。職種別であって資格別でもありません。残業も約束できません。2025年4月の改正で、建築士が設計した建築物について審査を一部省略できる特例は、平屋かつ延べ面積200㎡以下に絞られました(建築基準法6条1項三号・6条の4第1項三号)。二階建ては、この省略からは外れます(型式適合認定による一号・二号の特例は別です)。審査量が増えたかどうか、残業がどうなるかは、機関ごとに確かめてください。
いま管理建築士です。辞めたら会社の登録はどうなりますか
管理建築士の氏名は事務所の登録事項で、変わったら開設者が2週間以内に変更の届出を出します(建築士法23条の2第4号・23条の5第1項)。出すのは会社で、あなたではありません。管理建築士は専任なので(同24条1項)、前職に名前が残る間は次の事務所で自分を置けません。次の事務所で管理建築士になるには、建築士として3年以上の業務に従事したうえで、管理建築士講習の課程を修了していることも要ります(同24条2項)。
その会社に建築士事務所登録はありますか。講習費は誰が払いますか
登録がなければ、その会社は他人の求めに応じ報酬を得て設計も工事監理も業として行えません(建築士法23条1項)。逆に登録のある事務所に属すると、定期講習が義務になります(同22条の2)。間隔は3年です(同法施行規則。直近に受けた日の属する年度の翌年度の開始日から起算します)。受講料は登録講習機関ごとに違いますが、機関別の公表料金まで確かめられなかったので、金額はここには出しません。受ける機関の料金表を見てください。会社が出すかどうかも、会社ごとです。
アトリエ系は本当に手取り13万・社保なしですか
本当かどうかは、ここでは言いません。割合の統計も、裏の取れた事例集も見つかりませんでした。ただ、社会保険の加入だけは自分で確かめられます。日本年金機構の「厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム」で、都道府県と会社名から引けます。求人票の「社会保険完備」を信じる前に、一度引いてください。
辞めたあと、前の会社に自分の名前が残っていたら
名義を使わせると、貸した建築士本人も罰せられます。建築士は、無資格で設計や工事監理をする者に自己の名義を利用させてはならず、違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(建築士法21条の2、37条7号)。会社が罰せられないという意味ではありません。同法には両罰規定があり、従業者等の違反行為について法人にも罰金刑が科されます(同42条)。退職時に、確認申請の設計者・工事監理者欄と、事務所登録から名前が外れたかを確かめてください。
判定の根拠となる法令・一次資料
以下は一次資料に基づく要点の要約です(原文は各カードの出典リンクから)。これらの資料が示す配置・登録の要件を、当サイトの基準に当てはめて判定しています。
ここは言い切れません
判定の適用条件と、この資料だけでは言い切れない点です。
- 6業種の一覧に載っていることと、年収や社内の評価は別。この一覧に待遇は一切書かれていない
- 監理技術者が要るのは元請で下請契約の総額が政令の基準額以上になる工事だけ。専任が必要な現場で選任されるには、監理技術者資格者証(有効期間5年)と登録講習の受講が別に要る(建設業法26条2項・5項、27条の18第4項)
- 642万円は月額×12+年間賞与という当サイトの換算値で、統計が「年収」として公表している数字ではない。賃金統計は職種別であって資格別ではなく、地域・企業規模・経験年数で大きく動く
- 定期講習の受講料は、機関別の公表料金まで確かめられなかったので出していない
- 資格手当の額、定期講習費の会社負担、確認検査機関の残業は会社ごと。当たりはずれの割合は、こちらでは出せない
いま、このページでできること
求人票を見るときは、4つだけ並べてください。①提示年収を、建築技術者の月43.5万円+年間賞与120.0万円(換算で642万円)と。②残業時間を、いまの自分の実績と。③建築士事務所登録の有無。無ければ、その会社は報酬を得て設計も工事監理も業として行えません。④資格手当の額と、定期講習費を会社が出すかどうか。③と④は求人票に書いていないことが多いので、そこで聞けば十分です。応募するかは、4つを並べてから決めれば大丈夫です。
ボタンの先は、建築士の求人を扱う転職サービスのページで、このページ自体は求人も条件も載せていません。求人を探すのも条件を見るのもそのサービスの中で、サービスによっては会員登録を求められます。
建築士向け転職サービスを見る転職するかどうかは、求人を見てから決めれば大丈夫です。
資格を活かせる転職先の例
監理技術者の配置が必要な工事を持つ会社が候補になります。業種によっては資格取得後の実務経験が必要です。
他にも資格をお持ちなら、同じ物差しの判定を確認できます